「公的救助機関と災害捜索犬の連携について」
~FEMA(連邦緊急事態管理庁)から学ぶ、国内モデルの構築に向けて~
このたび日本レスキュー協会は、様々な関係各者のご協力のもと、アメリカのカリフォルニア洲よりFEMAに所属する災害対応指揮官(FEMAオペレーションチーフ)および現役災害捜索犬のスペシャリスト(California Task Force3 K-9ハンドラー)を講師に招き、下記の内容でFEMAが実施する捜索活動と災害捜索犬の活用などについてのセミナーを開催いたします。
つきましては季節柄なにかとご多忙な時期とは存じ上げますが、皆様には是非ご参加頂きたくここに開催の概要をお伝えいたしますので、何卒ご検討いただければ幸いでございます。
日本では、近年多発する大規模災害を経験し、公的な救助機関のみならず民間を含む様々な分野で防災減災についての取り組みが加速しています。その一つ、捜索救助活動(サーチ&レスキュー)の取り組み、発展がこれまで以上に求められることはいうまでもありません。
この取り組みについて更なる発展を目指すために、アメリカ合衆国よりFEMA(連邦緊急事態管理庁)に所属する講師をお招きし、彼らが歩んできた災害に対する強い国づくりとその経緯、FEMAの災害においての体制などを含め、今回は大規模災害における災害捜索犬活用の有効性や基本的なICS(インシデントコマンドシステム)を題材にしてお話して頂きます。
このセミナーが日本の近い将来の防災減災に役立つものとなるよう強く望むとともに、日本国内の災害捜索犬の標準化された基準づくりの一助となれることを願います。
皆様のご協力を宜しくお願い申し上げます。
【主催】
認定NPO法人 日本レスキュー協会
【後援】
消防庁、兵庫県
【特別協賛】
株式会社 日本防災研究センター
【協賛】
シバタ工業 株式会社、学校法人コミュニケーションアート 大阪ECO動物海洋専門学校、
スニッファードッグカンパニー、株式会社 丸本、株式会社 わんわん、下垣法律事務所、
株式会社 ダイア商会、株式会社 森原システムエンジニアリング、株式会社 LCC Planning、
株式会社 二口印刷、株式会社 服部コーワホールディング、
アドーラブル 株式会社、株式会社 ケイテック、株式会社 多田 、
学校法人立志舎大阪動物専門学校 、学校法人立志舎大阪動物専門学校天王寺校 、
尾立 源幸、稲葉 俊
【協力】
神戸市消防局(訓練参加、会場調整、瓦礫安全管理等)、
株式会社スペシャルレスキューサービスジャパン(米国講師各種調整業務)、
金井瑛世(講師資料翻訳業務)
【特別協力】
真如苑(災害救助犬への長期支援)
開催概要 | |
講師 |
Frank A. Fraone 氏(→詳しいプロフィールはこちら) Lynne Engelbert 氏(→詳しいプロフィールはこちら) |
日時 |
①2017年5月09日(火曜日) |
②2017年5月10日(水曜日) |
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場所・定員 |
兵庫県広域防災センター |
参加対象 |
防災関係者(行政、自治体)、救助関係者全般(消防、警察、自衛隊、DMAT、救助犬団体、VMATまたは獣医師他)、開催における主旨に関連のある方。 定員 各日100名程度 |
参加費用 |
13,000円/日(当日会場受付にてお支払い下さい。) |
お申し込み方法 |
申し込みは終了しました。
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注意事項 |
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お問い合わせ |
認定NPO法人 日本レスキュー協会 |
セミナープログラム(※両日同じ内容となります。時間はすべて予定)
1. セミナー 9:30~17:00(内12:30~13:30昼休憩)
- 1. FEMAの概要紹介
- 2. 米国US&Rシステムの紹介
- 3. 基本的なICS紹介
- 4. 土砂災害を例とした大規模災害対応における捜索犬の有効性について
- 5. 災害捜索の心構
- 6. 実技訓練(座学を踏まえ、救助隊と捜索犬の連携)
2. 懇親会
未定(希望者のみ、別途費用が必要です)
講師紹介
Frank A. Fraone
◆緊急事態管理庁 (FEMA)
・CA-TF3プログラムマネージャー、タスクフォースリーダー兼レスキューチームマネージャー
・国家オペレーションワークグループ(2001年~2015年)
・代表:レスキューオペレーションワークグループ (2001年~2015年) 全28FEMAレスキューチームのコーディネイトを行う
・代表:ハリケーンオペレーションコンセプト委員会およびインテグレーティッドウォーターオペレーション (2006年、2012年)
・モジュラー配置アドホックグループ、オペレーションレスポンスアドホック、ウォーターオペレーションストラテジックアドホック
・インシデントマネジメントサポートチーム: ISTオペレーションセクションチーフ、IST US&R スペシャリスト兼 Liaison
・構造物崩壊技術者トレーニングマニュアル第1版~第3版 制作兼コーディネーター
・ISTまたはタスクフォースメンバーとして13の国家災害への配置、以下具体例;
オクラホマシティビル爆破事件、世界貿易センターテロ事件、ハリケーンカトリーナ災害、グリーンズバーグトルネード災害、 ワシントン州オソ土砂災害、その他
・全28FEMAチームへナショナルウォーターオペレーションプログラムの展開、白書の展開、コン・オペレーションの計画、予算編成、トレーニングと実行計画
・FEMA US&Rチーム評価者
◆プロフィール
34年にわたるさまざまな消防活動の経験の中で高く評価される業績を残し、幹部層のチーフオフィサーとして、模範的なハンズオンのリーダーシップを発揮、行政指導へ献身する傍ら、人員のサポート体制や協働体制を構築することで先駆的なビジョンを提供し続けてきた。
◆緊急事態におけるオペレーション
数々の地域・国家規模の災害における準備、レスポンスで適正な統率を取ってきており、大規模災害のマネジメントにおける様々なオペレーションの成功経験は比肩できない。
◆ビジネス上のオペレーション
倫理的な判断、プロフェッショナルな意思決定、信用の高い商習慣や地域・州・連邦の財務マネジメントのプロセスに関わる包括的な知識を駆使し、異例なプログラムの運営において確実な成功を収めた。また、世界規模の緊急事態管理の組織において関係性を構築し、周囲の期待を超えるはたらきで、30年に及ぶテクニカルな経験とリーダーシップの経験を積んできた。
職務経歴
1979-1981 |
ウッドサイド防火地区 ボランティア消防員 |
1986-2007 |
サン・マテオ大学、消防技術リードインストラクター |
1981-1991 |
ドライバー/オペレーター、火災調査員、消防員 |
1991-2000 |
サプレッション隊長、トレーニングディビジョン隊長 |
2000-現在 |
ディビジョンチーフオペレーション、ディビジョンチーフサプレッション、ディビジョンチーフトレーニング |
1981-2015 |
メンローパーク防火地区、フルタイム正職員 |
2015-現在 |
太平洋ガス電気 シニア公安スペシャリスト |
学歴
1978 |
サン・カルロス高等学校 卒業 |
1995 |
カリフォルニア州立大学、職業訓練教育学部 学士号取得(Epsilon Pi Tau 優秀賞) |
経歴
- ・フルタイム正職員としての消防活動経験 33年
- ・ディビジョンチーフ職 14年:オペレーション、サプレッション、トレーニング、防火、ファシリティー、EMS
- ・隊長歴 9年:小隊トレーニングオフィサー職 3年
- ・FEMA US&Rプログラム 25年
- ・以下のディビジョン/プログラムにおいてマネージャー兼財務監督を務める;
オペレーションディビジョン、トレーニングディビジョン、防火ディビジョン、海運サービスディビジョン、装置及び車両の買い付け、エクイップメントディビジョン、コミュニケーションディビジョン、派遣サービス、 ウォーターレスキューディビジョン、ファシリティーディビジョン、ステーション設営、DMV & ライセンス、SLAC、救急医療サービス、Chaplains Program, 地域緊急事態オペレーション&CERTコーディネーション, FEMA US&R CATF3. - ・カリフォルニア州認定消防職員
- ・サン・マテオ郡トレーニングオフィサー代表(2004年、2011年)
- ・サン・マテオ群放火調査部隊
- ・サン・マテオ大学リードインストラクター 18年.
- ・カリフォルニア州レスキューシステムI & II シニアインストラクター、1a & 1b インストラクタードライバーオペレーター
- ・消防区域の戦略的計画展開およびコーディネーター
- ・消防区域のプロパティ・ネゴシエーター(不動産取引)
- ・マネジメントの賃金・福利厚生ネゴシエーター(契約2件の実績)
- ・メンローパーク防火区域の経済活動すべてにおける権限つき署名人
個人の業績及びコミュニティ活動
- ・2012年度カリフォルニア州トレーニングオフィサー
- ・アリシア・アン・ラッチ・カリフォルニア・バーン(熱傷)基金(AARCBF) ベイエリア支部創設、取締役、代表
- ・メンローパーク消防員組合:1990年度消防員
- ・州知事功労者賞受賞
- ・バーンサバイバーキャンプ カウンセラー歴5年、うち1年はディレクターを務める
- ・ペニンシュラ・レッドウッド市YMCA 取締役.
- ・1996年オリンピック聖火ランナー 地域活動の功績を評価され、ナショナルオリンピック委員会により選出
- ・警察アスレチックリーグ コーチ歴9年
- ・セイントアントニー主催トイドライブプログラム 31年
Lynne Engelbert(リン・エンジェルバート)
◆所属団体・特別捜索犬チーム(CSST)理事会
・CA 危機管理局捜索作業部会 (元議長)
・湾岸地帯テロリズム作業部会(BATWG)、主導機関:FBI and Cal EMA
・1st Special Response Group (1SRG)
・カリフォルニア性的暴力捜査協会
・カリフォルニア州検視協会
・全米捜索救助協会(前)
・特別捜索犬チーム、サンタ・クララ保安局
・科学捜査犬協会
・緊急事態対応ボランティア-サラトガ市
・大都市医療作業部会-サンジョゼ市(計画委員会、専門家)
・カリフォルニア捜索犬協会 (前)
・公認緊急事態管理者 (CEM)、国際緊急事態管理者協会
・認定電気検査技術者、電気検査技術者国際協会(前)
経歴
1987-1996 |
Disaster Assistance & Rescue Team (DART)に所属。 |
1996-2008 |
NASAエイムズ・リサーチ・センターに所属。 |
2006-現在 |
US&R CA TASK FORCE 3(連邦大規模災害対応チームカリフォルニアタスクフォース3)所属。 |
代表的な捜索対応実績
2003 |
スペースシャトルコロンビア号の回収 テキサス州 |
2001 |
9.11ワールドトレードセンターで多数の実績 ニューヨーク州 |
サンタ・クルーズ郡捜査(殺人事件被害者の捜索)カリフォルニア州 |
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サンタ・クララ郡捜査(殺人事件被害者の捜索)カリフォルニア州 |
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ロス・ゲート捜査(殺人事件被害者の捜索)カリフォルニア州 |
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キム事件捜査、ギルロイシティー(殺人事件被害者の捜索)カリフォルニア州 |
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2000 |
ルーシー事件捜査(殺人事件容疑者の捜索)カリフォルニア州 |
キム事件捜査、ギルロイシティー(殺人事件被害者の捜索)カリフォルニア州 |
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科学捜査犬を活用し、古代埋葬地を探し出す試み(サンタ・クララ大学) |
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1SRGチームとしてメキシコでの捜索活動 |
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サン・ベニト郡での飛行機墜落事故の回収 カリフォルニア州 |
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1999 |
ルーシー事件捜査(殺人事件容疑者の捜索)カリフォルニア州 |
1998 |
カリフォルニアの洪水災害捜索(OES) |
サンタ・クララ郡の飛行機墜落事故の回収 カリフォルニア州 |
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サンタ・クルーズ郡殺人現場捜査 カリフォルニア州 |
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1995 |
カリフォルニアの洪水災害捜索(OES) |
オクラホマシティービル爆破テロ捜索(US&R TASK FORCE 3)オクラホマ州 |
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1994 |
シャスタ山遭難捜索 カリフォルニア州 |
1992 |
オークランドの大火災嵐 |
1989 |
ロマプリータ地震(サンフランシスコ大震災)カリフォルニア州 |
その他実績
2006 |
DHS(国家安全保障省)の探知犬実現可能性調査 チームの一員としてパートナーの捜索犬スイープと共に研究参加。調査内容は、「貨物コンテナによる密航者の捜索」でチームは90%の高得点を出し、捜索犬のこの分野における優位性に大きく貢献する。 |
2006 |
カナダのUS&Rチーム定期訓練において、捜索犬分野の評価を行い、災害捜索犬ガイドラインの第一草案の作成に参画する。 |
FEMA(フィーマ)とは
アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency)の略称であり、洪水、ハリケーン、地震および原子力災害を含むその他の災害に際して、連邦機関、州政府、その他の地元機関の業務の調整を任務としている。
各州や連邦政府直轄地等(ワシントンD.C.)には緊急事態管理局という下部組織が存在し、災害以外にも家屋や工場の再建や企業活動・行政活動の復旧にあたって、資金面からの支援も行っている。